近年、健康意識の高まりやSDGsの観点から、植物性ミルクが注目されています。
植物性ミルクは乳成分を含まないため、牛乳アレルギーの人でも飲むことが可能です。
厚生労働省の調査によると、国民の半数が何らかのアレルギーを持っているといわれています。実際に筆者も牛乳アレルギーを持っており、日常的に植物性ミルクを飲用しています。
そこで今回は、植物性ミルクの特徴とアレルギーについてまとめました。
牛乳アレルギーの方や、自分に合う植物性ミルクを見つけたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも植物性ミルクってなに?
(画像出典:photoAC)
植物性ミルクとは、大豆・アーモンド・穀物など植物由来の原料から作られたミルクのことです。牛乳の代替品として用いられ、牛乳が苦手な方やアレルギーの方、乳製品を摂取しないヴィーガンの方なども安心して飲用できます。
第二のミルクと呼ばれる豆乳が代表的ですが、豆乳に次いで第三のミルクと呼ばれるアーモンドミルクやオーツミルクなども注目されています。ほかにもココナッツミルクやライスミルクなど、さまざまな植物性ミルクが存在します。
主に流通されている植物性ミルクは、以下の3種類です。
植物性ミルクの種類 | 原料 |
---|---|
豆乳 | 大豆 |
アーモンドミルク | アーモンド |
オーツミルク | オーツ麦(えん麦) |
植物性ミルクの2つの特徴
植物性ミルクの特徴は以下の2つです。
- 植物由来の栄養素が豊富
- 低カロリー・低脂肪・低コレステロールで健康的
植物性ミルクは、素材を細かく砕いて成分を抽出して作られます。植物由来の栄養素が豊富に含まれており、効率的に栄養を摂取できます。また、低カロリー・低脂肪・低コレステロールであるため、健康志向の高い人におすすめです。
栄養価はミルクの種類によって異なります。
たとえば豆乳は、良質な大豆たんぱく質の含有量が多いほか、健康や美容をサポートする大豆イソフラボンを含んでいます。またアーモンドミルクには、抗酸化作用のあるビタミンEや、お腹の調子を整える食物繊維が豊富です。
栄養面から自分のライフスタイルに合ったミルクを選ぶことで、身体に嬉しい効果が期待できます。
植物性ミルクの2つの注意点
植物性ミルクを飲むときの注意点は以下の2つです。
- 牛乳とは味わいが異なる
- 体質に合わない場合がある
牛乳とは味わいが異なる
動物性ミルクの牛乳とは異なり、植物性ミルクには植物由来の味わいがあります。大豆や穀物などが持つ特有の風味や舌触りは、人によって好みが分かれます。また、飲みやすくするために添加物や甘味料を加えた商品も多いため、原材料を確認した上で購入するのがおすすめです。
体質に合わない場合がある
身体に良いイメージのある植物性ミルクですが、体質に合わない場合もあります。
植物性ミルクには食物繊維が豊富です。食物繊維を過剰に摂取すると、腹痛や下痢を引き起こす原因となります。自身の体質やその日の体調に合わせて、飲む量を調整しましょう。
植物性ミルクでもアレルギーは起こる!知っておきたい2つの注意点
(画像出典:photoAC)
植物性ミルクでもアレルギーが起こる可能性があります。下記の2つの注意点を把握したうえで慎重に飲用しましょう。
- 食物アレルギーに注意
- 花粉−食物アレルギー症候群に注意
食物アレルギーに注意
食物アレルギーとは、摂取した食べ物に含まれるたんぱく質などが原因で、身体の中で過剰な免疫反応が起こる現象のことです。
食品表示法では、アレルギーの症例数や重篤度に応じて「特定原材料」と「特定原材料に準ずるもの」の2種類を定めています。
「特定原材料」「特定原材料に準ずるもの」に指定されている食品は以下のとおりです。
表示対象品目 | 表示の義務 | |
---|---|---|
特定原材料 | えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生 | 義務 |
特定原材料に準ずるもの | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシュー ナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン | 推奨(任意) |
植物性ミルクにも、食物アレルギーの原因となる原材料が使用されています。
今までは症状の出なかった食品に対しても、アレルギーは急に発症することがあります。気になる症状を感じたら、アレルギー検査をして自分の身体について知っておくと安心です。
参考文献『消費者庁, 食物アレルギー表示に関する情報』『厚生労働省, 食物アレルギー』
花粉−食物アレルギー症候群に注意
大豆アレルギーを持っていない人でも、豆乳を飲むと喉がイガイガしたり、唇が腫れたりなど、アレルギーのような症状が起こることがあります。
このような症状は「花粉−食物アレルギー症候群」と呼ばれており、花粉のアレルギー物質と似た構造のたんぱく質が、食物の中にも含まれていることで誘発されます。
アレルギー症状の出やすい食物は、どの花粉症を患っているかによって異なるため注意が必要です。
花粉−食物アレルギーに関連する花粉と食物の組み合わせには、以下のようなものがあります。
花粉(科) | 花粉(種) | 花粉と関連する食物の一例 |
---|---|---|
カバノキ科 | ハンノキシラカンバ | リンゴ、モモ、サクランボ、キウイ、アーモンド、大豆(主に豆乳)、ピーナッツ、ヘーゼルナッツなど |
ヒノキ科 | スギ | トマト |
イネ科 | オオアワガエリカモガヤ | メロン、スイカ、オレンジ、キウイ 、ピーナッツなど |
キク科 | ヨモギ | セロリ、ニンジン、マンゴーなど |
ブタクサ | メロン、スイカ、バナナなど |
豆乳の場合、呼吸困難やアナフィラキシーなど、重い症状が全身に現れることがあります。原因は、豆乳に含まれるたんぱく質に、熱や消化に強い性質があるためです。
上記のように、植物性ミルクの原料に食物アレルギーを持たない人でも、アレルギー症状が現れる場合があるため注意しましょう。
参考文献『みんなのアレルギー情報室, 大豆アレルギー』『みんなのアレルギー情報室, 注意するべきアレルギー』
自分に合った植物性ミルクを選ぼう
(画像出典:unsplash)
本記事では植物性ミルクの特徴とアレルギーについてお伝えしました。
植物性ミルクを問題なく飲用できている人は、アレルギーについて過剰な心配をする必要はありません。しかし、アレルギーに敏感な体質の人は、必ず少量から試すようにして、飲用時にアレルギー症状が出ないか確認しましょう。
最近ではさまざまな種類の植物性ミルクが流通しており、今後ますます身近な存在になっていくことが予想されます。牛乳アレルギーの人でもさまざまな味わいを楽しめるため、自分に合った植物性ミルクを選んでみましょう。
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